スクープ!屋根が開く!石蔵に息づく、地域の暮らし——犬迫町「泉石蔵」という憩いの場
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里山にドン!!まず建物が気になる 泉石蔵
— 重厚な石蔵から始まる物語 —
鹿児島市犬迫町の里山風景の中に、どこか懐かしい佇まいで建つ直売所「泉石蔵」。
古い石蔵を移築した建物は、重厚な石造りと瓦屋根が印象的で、ひと目見ただけでその歴史と物語を感じさせてくれる。
軒先には採れたての地元野菜が並び、素朴で温かみのある空気が広がる。地元住民はもちろん、他地域からも多くの人が訪れる人気の販売店だ。
店長の今和泉キク子さんに話を伺った。
「創業は平成17年です。私は平成21年から店長を務めています」

「アレがない、コレがない」から店は広がった
— 暮らしの困りごとが品揃えに —
もともとはキク子さんの叔父が始めた店だというが、この石蔵自体はJAの食糧倉庫として建てられたものだった。

当時は農家が冷蔵庫を持たない時代。
米や野菜を保管する共同の貯蔵庫として貸し出されていたという。
太い木の柱、吹き抜けの高い天井、石蔵ならではの安定した室温——情緒ある外観だけでなく、実用的な保管庫としての役割を担ってきた建物だ。
やがてJAがなくなり、倉庫としての役目も終える。
さらに過疎化で周辺の商店も減少。「アレがない、コレがない」という地元の声が増えていった。
「それで野菜や米だけでなく、肉や魚、今では日用品まで置くようになりました」
地域の困りごとに寄り添う形で、店の品揃えは広がっていった。

店長が“自分で試す”主義
— 鳥刺しと豆腐、そして人の物語 —
人気商品を尋ねると「野菜や花も人気ですが、特に鳥刺しと豆腐ですね」と教えてくれた。
「自分が体験してからでないとおすすめしません。自分が良いと思うものを入れています」
取材時はその人気豆腐が品切れ中。
理由は「生産者さんがぎっくり腰で(笑)」とのこと。無理に代替品は置かない。
生産者の事情ごと受け止めるのが、この店らしさだ。
石蔵で打っていた蕎麦、いまも健在
— 出汁と香りにファン多数 —
外せない名物がもうひとつある。「石蔵の蕎麦」だ。

かつてはこの石蔵の中で蕎麦打ちが行われていた。
現在は人気により生産が追いつかず、工場製造へと切り替わったが、味へのこだわりは変わらない。
出汁の旨みと蕎麦の香りがしっかりと感じられ、長年のファンも多い。
野菜も売るけど、会話も売っています
ー腕章の名は「おしゃべりスズメ」ー
「ここは、地域に根付く店というより、一緒に歩む場所ですね」
常連の顔が見えなければ気にかかり、新しい来店者があれば嬉しい。「元気だった?最近見なかったね」そんな声掛けが自然に飛び交う。
その象徴が「おしゃべりスズメ」の腕章だ。“気軽に声をかけてください”という意味を込め、キク子さんが提案した。
イベントもユニークで、桜島大根や巨大白菜の重量当てクイズを開催。賞を受けた生産者の野菜が並ぶことも多い。

「クイズに出した野菜?終わったら従業員で鍋にして食べます(笑)」
そんな気さくな従業員達にぜひたくさん話しかけてほしい。
衝撃の事実。屋根が開きます
— そして若者向け新計画も進行中 —
さらにこの石蔵、実は天井が開閉式。食糧倉庫時代、温度調整のために屋根を開けていた名残だという。

今は使われていないが、長年働く従業員でさえ知らなかったほどの“隠れた歴史”だ。
そして現在、事務所横では新たな準備も進行中。
「若い方が喜ぶものを計画中です」とキク子さん。
詳細はまだ秘密だが、新しい風が吹こうとしている。
向かいには“宇宙一大きい虎”が鎮座する八房神社。
地域を見守るように、泉石蔵もまた静かにそこに在り続ける。


人の声、季節の恵み、生産者の暮らし。
泉石蔵は今日も、地域と共に歩む憩いの場として犬迫町に佇んでいる。
■店舗情報
泉石蔵(イズミイシクラ)
所在地:〒891-1205 鹿児島県鹿児島市犬迫町3449-2
電話番号:099-238-0025
営業時間:9:00〜19:00
(※季節・状況により変更の場合あり)
駐車場:あり
ライター 吉田 ゆみPlofile:ライター、菓子講師、レシピ開発など、主に伝える仕事をしています。鹿児島ー東京の二拠点生活中!頑張る人や、ワクワクすることを見つけて日々駆け回っています。





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