犬迫の夜に、動物たちが目を覚ます?!〜犬迫映画祭2025開催!
- 犬迫地域コミュニティ協議会

- 1 日前
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11月8日、犬迫町の「泉石蔵」駐車場にて犬迫映画祭2025が開催された。第二回となるこのイベントは犬迫町民に向けた映画祭。


この日、子供から大人まで楽しめる「マダガスカル」が上映された。
暦は秋でもここ鹿児島ではまだ昼の陽射しが痛い。陽が陰ると急に寒くなるこの変化には戸惑うが、今夜に限っては暗闇が待ち遠しい。
上映前から泉石蔵では買い物を楽しむ客や、スクリーンの大きさに声を上げる子供で賑わい始める。
犬迫在住のすくら君によるオープニングで犬迫映画祭2025スタート!
映画祭のオープニングを飾ったのは、地元在住の16歳クリエイター「すくら」君による短編映像作品だった。
神秘的な音楽と共に、森を抜け、山を越え、自然の中を駆け抜ける汽車が登場する。
この美しさはスクリーンに対面する山と同化し、画面に吸い寄せられるような迫力。
初めてのお披露目となったこの作品を見た観客は皆、息をのんだ。
「この作品は、自分の中で特に思い入れのある一本です」と語るすくら君。地元・犬迫での上映は、自信と誇りを刻む時間となった。
関連記事:鹿児島市犬迫町に16歳のクリエイター誕生
ライブペイントに“狼”が現れる
上映の合間には、元プロボクサーで画家の中野 玄悠さんが、「今の犬迫町」をテーマにライブペイントを披露。
大きなキャンバスに浮かび上がったのは、その先を睨む一匹の“狼”。力強い筆致と静かな集中に、観客からは自然と拍手が起こった。

「犬迫町では猪の被害が多いと聞きました。少しでも被害がなくなるように、との想いでこの狼を描きました」
かつてリングに立っていた男が、今は絵筆を握り、命の鼓動を描き出す。その姿は、映画のテーマ「再生」とも重なって見えた。
大自然の中の上映は迫力が満点
映画には欠かせないポップコーンの販売が映画らしさを演出してくれた。
上映前に行われたクイズ大会では子どもたちの元気な声が飛び交い、正解が出るたびに大きな拍手が起きた。
泉石蔵から提供された米やお菓子を手にした来場者は、「当たったよ!」と嬉しそうに家族へ駆け寄り、その笑顔が会場に温かい輪をつくる。
やがて日が落ち、いよいよ上映の時間を迎える。
ここ犬迫で、大自然の中に浮かび上がるスクリーンは、まるで山々がつくった巨大な舞台装置のようだ。

観客たちは静かに座り、目の前の物語へと吸い込まれるように真剣な眼差しを向けていた。
冷え込む夜気の中、ストールにくるまりながらホットドリンクを手にした人の吐く白い息が、映画の光と混ざり合っては消えていく 。
温度まで伝わるような、犬迫ならではの“自然が映画館になる”新しい瞬間だった。
動物たちが見守る町、犬迫。
犬迫町には「宇宙一の大虎」が祀られる八房神社がある。山には猪が現れる。町の名には“犬”が宿る。
そしてこの夜、スクリーン横に“狼”が現れた。
犬・虎・猪・狼 -そして映画「マダガスカル」まるで動物たちが呼び合うように、映画祭の夜は生命の気配に満ちていた。
映画を通して、人と自然、過去と未来、命と芸術が交わる犬迫発の新しい文化の風が、静かに吹き始めている。
「犬迫映画祭」が新しい文化になる気配を感じる秋の夜だった
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※中野 玄悠さんの作品は泉石蔵にて展示中!
作品展示場所の向かい合わせには八房神社の「宇宙一の虎」が鎮座しています。狼と虎が睨み合うこの場所は新パワースポットなのかもしれません。ぜひお買い物の際にお立ち寄りください。
ライター 吉田 ゆみPlofile:ライター、菓子講師、レシピ開発など、主に伝える仕事をしています。鹿児島ー東京の二拠点生活中!頑張る人や、ワクワクすることを見つけて日々駆け回っています。





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